鞆の社会福祉法人「創樹会(福山六方学園)」のアート活動をする「さわらび」さんへ。今まで作品をお借りしたりしたことがあったけれど初めての六法学園さん。
すでに有名になったアーティストだけでなく新しく制作を始めた方もたくさんいて、長く活動していることのためか表現活動が着実に根付いていることを感じる。絵画に布をコラージュした作品、新聞広告をひたすら集める行為、日記なのかお気に入りのノートにびっしり字を書く人、絵具でパーカッションをたたくように筆を打ち付け点を描いていく人など表現なのか、障害と特性の反映なのか判別できにくいが、わくわくするもの、面白いものがたくさんある。
施設の建築が風通しの良く、適度にバラバラしていて、抑圧的ではない自由を感じる設計が素晴らしい。そこでは知らない間にペットボトルをピンに見た立てボーリングが始まっていた。
そして行きたかった広島は鞆の浦の「鞆の津ミュージアム」さんへ。古き良き日常が残る街、鞆の浦で築150年の蔵がとっても素敵なリノベーションで美術館として生まれ変わっています。
六法学園のアーティストたちの展覧会は見応えがありました!(H.N.)
私がこのアート世界にどっぷりハマるきっかけとなったのが、平野信治さんの作品「志村けん」でした。バカ殿に扮した志村さんがエネルギッシュに摩訶不思議に描かれていて、一目惚れでした。購入希望を伝えると「7万円」と。50号ぐらいというサイズを考えると安価。しかも、そのうち額代が5万円。この時の「?」から探究心がムクムクとなり、障害のある作家さんとアート支援の活動がスタートしたのです。ですから六方さんとは20年以上のお付き合いになるんですね。
私が知る最高年齢の作家さんが、橘高博枝さんです。小柄なおばあちゃまが、呪文か鼻歌のようにも、独り言ようにも聴こえる何かを呟きながら描いていました。支援員さんによると、子どもの頃にいじめにあっていた言葉も混じってるとのことでした。その痛みが、記号のような象形文字のような素敵な絵に描き替えられているようです。顔上げ目が合うと、ニッコリ。2回目にお会いした時は、駆け寄って手を握ってくれました。橘高さんの作品も、ウチのリビングでキラリと光っています。(C.A.)
ニューヨークのMOMAに収蔵されている橘高さんやタレント志村けんが大好きな平野さんが在籍していると、よくお名前をお聞きしていた福山六方学園さん。
「作品が輝けば、作者も輝く」という考え方のもとに個の尊厳を守り、自由にできる環境を整備しているそうで、行き届いた建物の中では、たくさんの方たちが夫々に自分の好きな活動をしていました。
お邪魔した2019年がちょうど福山六方学園の創設60周年らしく、鞆の津ミュージアムでも周年を記念した展示をやっていて、たくさんの豊かな作品を見ることができました。(T.Y.)
社会福祉法人創樹会
昭和34年に福山六方学園を開設した広島県福山市の社会福祉法人「創樹会」は、障がいのある人たちの人生を支えることを目的に、嬉しいサービスを提供していき、家族や地域社会の人々と共に健やかに育て支えていきたいと考えています。
〒720-0832 広島県福山市水呑町7141−1
TEL.084-968-0195
鞆の津ミュージアム