安積愛育園の施設の一つである「パッソ」は明るく、開放的な空間。訪れたときはちょうどクリスマスの時期とあってパーティーの真最中。歌をうたったり、仮装したり利用者さんがワイワイと楽しそう。女優東ちづるさんの来訪にみなさん、大騒ぎ!私たちも一緒に混ざって写真を撮らせていただきました。
そのあとで制作の様子を見学。お会いしたアーティストは車いす乗ったまま足の指に筆を挟んで描く森陽香さん。色彩が鮮やかでポップで力強い作品。字もパンクぽくってかっこいい。足で描くとは知らないときから、惚れて何度か出展のお願いもしたことがある。自分の名前や気になる人を描いている伊藤峰尾さんはかなり長いキャリアが障害がるアート業界では有名な方。文字が重なり合って有機的に結び付き、まるで細胞やシナプスのような。作品だけは前から知っていたけれどやっと会えた!いつもワイシャツにネクタイの正装をして礼儀正しく名刺交換もできました(^O^)。
「アルバ」の中に大きな壁画が設置されていた。たわわに実った果実のような葉っぱを描く土屋庚一さん。一つひとつの形が微妙に違っていて生命感に満ちている。色彩と形態の構成が絶妙で見ていると音楽が聞こえてきそうだ。
何故か牛乳パックを解体した素材に描く星清美さん。シマウマ、キリン、鳥などの動物をオイルパステルで強い筆圧で勢いよく描く。細かい筆の動きがうまくコントロールできないことが逆に思い切りのいいタッチに結び付き力強い作品になっている。帰りの車の中でイタリア留学していた代表の佐久間理事長と地域で自由に暮らすことが精神病にとって一番の治癒になると説いて世界に先駆けて精神病院を全廃したイタリアの精神科医バザーリアのことを少しだけ話ができたことも印象深かった。(H.N.)
unicoは、イタリア語で「唯一」「個性的」「ひとつ」という意味。 障がいがある・ないに関わらず、誰もが「唯一」の存在であり、障がいを含めた様々な「個性」が集まって、 「ひとつ」の社会なんだ、という想いをこめているそうです。 アート展では作品を送って頂き展示させてもらうという、長いお付き合いですが、施設さんにおじゃまするのは初めてでした。この日はクリスマスパーティー。まあ賑やかなこと。利用者さんと支援員さんがまぜこぜになってはしゃいでいます。
unicoさんの作家さんの作品にも、このピースフルな暖かい空気が感じられます。 ビシッとネクタイ姿で愛敬たっぷりに名刺交換をしたのは、伊藤峰尾さん。 自分の名前「伊藤峰尾」が書けるようにと練習したことがきっかけで、時間をかけて「描く」ということにつながったそうです。「伊藤峰尾」を繰り返し書くことで、文字がダンスをしているようにも、スタイリッシュなデザインにも見えます。国内外にファンの多い作品です。(C.A.)
「はじまりの美術館」は誰もが集える「表現を楽しむ、つながりの場」として2014年に築130年の酒蔵を改修して開設された美術館。「人の表現が持つ力」や「人のつながりから生まれる豊かさ」を大切に考え、寛容で創造的な社会が開かれていくきっかけになることを目標としているそうです。単に作品展示をしているだけではなく、連動したイベントや企画もやっていて、お邪魔した時は、お邪魔したときには書道企画もやっていました。こうした企画があるのもはじまりの美術館の魅力かもしれません。
「ウーニコ」プロジェクトによる創作の場と、「はじまりの美術館」による表現を楽しみつながる場、アートにどっぷり浸かれる1日でした。来れて良かった(^^)(T.Y.)
スターバックス福島矢野目店にウーニコのアーティストの作品が常設展示されています。
社会福祉法人 安積愛育園「ウーニコ」「はじまりの美術館」
猪苗代湖のたもとにある明治初期に建立された酒蔵「十八間蔵」を改装した小さな美術館。その母体が今回訪ねた社会福祉法人安積愛育園。その中のアートプロジェクトをウーニコと呼ぶ。
福島県郡山市安積町笹川字経坦52
TEL.024-945-0369